夫がたまに言う。
「女はいいよね」
……。
そのセリフを吐くお前に、ひとつ聞きたい。
じゃあ、お前は家事を全部回せんのかよ。
私は、夫がいなくてもたぶん普通に生きていける。
仕事もある。
自分でお金も稼いでいる。
自分のことは自分でできる。
だから、離婚したとしても生活そのものは何とかなると思っている。
問題は、夫のほうが離婚を拒否すること。
説得するのも面倒なので、
「夫がいないと困ることって何だろう?」
と、逆に探してみた。
考えてみたら、ちゃんとあった。
朝早い時間のゴミ出し。
これは助かる。
私は朝早く起きてゴミを出すのが嫌いだ。
ゴキブリ退治。
これは本当に無理。
ただし、年に1~2回あるかないか。
国民健康保険料の支払い。
これは個人に請求されるわけではなく、世帯主に請求がくる。
それから、私に仕事が入っているときの食事作り。
「今日お願い」と言えばやってくれる。
洗濯関係も、言えばやってくれる。
ただし、洗濯物はたたまない。
そして、何かあったときに救急車を呼んでもらえる。
……こうやって書き出してみると、
いると助かることは、ちゃんとある。
でも、それと「家庭を回している」という話は別だと思う。
夫婦で、お互いの収入も貯金額も知らない。
それでも、日々の生活は勝手には回らない。
洗濯をする。
食材を買いに行く。
宅急便を受け取る。
家の中の細かいことを把握する。
必要なものがなくなれば補充する。
近所とのコミュニケーションをする。
家族の生活に必要なことを考える。
「これ、そろそろ買わなきゃ」
「これをやっておかなきゃ」
「明日はこれがあるから、今日はこうしておこう」
そういう、目に見えない仕事が毎日のようにある。
そして、それをやっている側からすると、
家事って「やったこと」だけじゃない。
「何をやらなきゃいけないのかを考えること」まで含めて家事なんだと思う。
夫がゴミを出してくれる。
それは助かる。
ゴキブリを退治してくれる。
それも助かる。
食事を作ってくれる日がある。
それも助かる。
でも、それだけで、
「俺も家のことをやっている」
となるのだろうか。
ここで、ふと思う。
そもそも「世帯主」って何なんだろう。
世帯主だから、家族の生活を実際に管理しているわけではない。
世帯主というのは、社会や法律上の手続きのために設定されている立場であって、
世帯主=家庭を運営している人
ではない。
じゃあ、夫の仕事と妻の仕事は何が違うんだろう。
夫が外で仕事をして収入を得る。
妻も外で仕事をして収入を得る。
それなら、妻が家にいる時間に家事をすることは、
「妻の仕事」
なのだろうか。
でも、妻にも仕事がある。
だったら、
家事は「女の仕事」ではなく、家族が生活するための仕事じゃないのか。
私は夫がいなくても生きていける。
でも、夫がいることで助かっていることもある。
だから、
「夫なんていなくてもいい」
と単純に言いたいわけじゃない。
むしろ逆。
いるならいるで、
お互いに「相手がやっていること」をちゃんと見ればいい。
「女はいいよね」
なんて簡単に言う前に、
一度、自分がその「女の生活」を全部やってみればいい。
朝起きて、
家族の予定を把握して、
買い物をして、
洗濯をして、
宅急便を受け取って、
家の中の足りないものを考えて、
近所との付き合いをして、
仕事もして。
それを毎日やりながら、
「女はいいよね」
と言えるなら、
私はそのとき初めて、
「そうですね」
と言ってあげようと思う。



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